前年の災害で反動増
旅行消費額は3%増の6.6兆円
観光庁が11月20日に発表した旅行・観光消費動向調査の速報値で、2019年7~9月期の日本人の宿泊、日帰りを合わせた延べ旅行者数(観光、帰省、出張など)は1億6795万人となり、自然災害が相次いだ18年同期に比べて2.5%増加した。17年同期と比べると、日帰り延べ旅行者数の減少が大きく、全体として11.2%減だった。旅行消費額では、宿泊旅行の消費が伸びたため、18年同期比3.0%増、17年同期比5.9%増の6兆6336億円となった。
観光庁は、19年7~9月期の延べ旅行者数の動向について、自然災害の影響で低調だった18年より増加したが、「7、8月の天候が悪かったこともあり、一昨年(17年)の水準まで回復するに至らなかった」と指摘した。
延べ旅行者数のうち宿泊旅行は9469万人で18年同期比4.8%増、17年同期比3.6%減。一方で日帰り旅行は7326万人で18年同期比0.3%減、17年同期比19.5%減だった。天候などの影響で日帰り旅行が伸び悩んだとみられる。
月別の延べ旅行者数を18年同月比で見ると、宿泊旅行は7月が3.2%増、8月が5.5%増、9月が5.1%増。日帰り旅行は7月が4.6%減、8月が0.3%増、9月が2.5%増だった。
19年7~9月期の旅行単価(1人1回当たりの旅行支出)は、宿泊旅行が5万7412円で18年同期比0.3%増、17年同期比14.3%増となった。日帰り旅行は1万6341円で、18年同期比5.7%減、17年同期比11.8%増だった。
19年7~9月期の国内旅行消費額のうち宿泊旅行は5兆4365億円で、18年同期比5.2%増、17年同期比10.2%増となった。日帰り旅行は1兆1971億円で、18年同期比6.0%減、17年同期比9.9%減だった。
月別の宿泊旅行の消費額を18年同月比で見ると、7月が7.7%増、8月が2.1%増、9月が8.2%増。日帰り旅行では7月が14.5%減、8月が6.1%減、9月が2.0%減だった。
観光庁の旅行・観光消費動向調査は、住民基本台帳から抽出した約2万6千人が対象。四半期ごとの旅行動向について同一対象者に年4回のアンケート調査を実施し、全体を推計している。